2019年鮎漁解禁

6月1日、今年も鳥取県内河川の鮎漁が解禁されました。5月の降水量が記録的に少なくて千代川の本流の水量は今まで見た事も無い程に無残な状態での解禁日でした。しかし、心配をよそに鮎は今年も元気な姿を見せてくれました!解禁日は少ない入荷でしたが、2日の今日は予約をお受け出来るのを安心する程の鮎が入荷して、ホッと一安心しています。これから9月末までの長い期間を、活かしたまま運んで頂く鮎漁師さん達に感謝しながら、鮎料理に磨きをかけて頑張りたいと思います。

菊乃家の鮎料理に使う鮎は、竿釣り鮎にこだわっています。活きたまま入荷し、その鮎を一晩、地下水の生け簀で泳がせて休ませます。鮎が受けたストレスを解消させてから料理に使います。菊乃家では網で獲れた鮎は使いません。川魚独特の泥臭さなど微塵も感じない鮎をお出し出来るのは活の鮎しか使わないからです。網で獲って活かしたまま持って来られてもストレスいっぱい受けた鮎は私には分かってしまいますよ(笑)以前は菊乃家も網漁で獲れた鮎を使って料理をしていました。千代川漁協が夜網で獲れた鮎を集荷して早朝、三軒の鮎茶屋が漁協に出向き、それぞれ店に持ち帰って料理に使っていました。鮎の漁獲量も今とは比べ物にならないほどに獲れていました。私も子供の頃から網で獲った鮎は食べ慣れていましたから、何とも思わなかったのですが、自分で料理をするようになると、「鮎は泥臭くて嫌だ」「川魚は臭くて食べられない」という声が耳に入るようになってきました。改めて網で獲れた鮎をそういう思いで味わってみると確かに泥臭い!それは鮎が川の珪藻などを餌にしているから。網で獲られた鮎のお腹の中は食べた藻がいっぱい詰まっています。ある程度の量が溜まるまで漁師さんは魚籠などに獲れた鮎を持ったまま川を網を打ちながら歩かれるでしょう。鮎は野締めの状態です。溜まった鮎を持ったまま夏の夜の川で鮎のお腹の中の藻はあっという間に醗酵が始まります。だから網で獲られた鮎は泥臭いと言われるのだと思います。それに気付いてからは菊の家では竿で釣られた鮎しか料理に使わなくしています。

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