竿釣り鮎へのこだわり

”苦うるか”から始まり”鮎こく”のお味噌汁とご飯をお出しして、
デザートで終える菊乃家の鮎コースは、私が板場に立つようになってからも変わることは有りません。
変えた事で一番大きな事は、入荷する鮎は竿釣りの物にこだわり、活きた状態のままの鮎を漁師の皆さんにお願いして買わせて頂くようになった事ですね(*^_^*)

投網で獲られた鮎はたとえ活きている鮎でも買うことはお断りしています。

網の中で大きなストレスを受けた鮎は魚の身が悪く、刺身にしてみると一目瞭然でその違いがよく分かります。
本来なら締まって透明感の有る肉質が、真っ白で軟らかな肉質に変わり、冷水で〆てもコリコリとした鮎本来の”洗い”や”セゴシ”にはなりません。
これは何も鮎に限った事では無く、海の魚、鯛等でも手釣りで一匹づつ釣られた物の方が網で獲られた物に比べて高価に取引されていますね。
魚に限らず動物の筋肉繊維はアデノシン三燐酸(ATP)という物質が存在すると収縮するそうです。魚が網の中で長い時間ストレスを受けるとATPを自己消費してしまい身の締まらない魚になります。トラックで長距離輸送されて活きている魚より、漁獲直後に締めて氷漬けにした魚の方により多くのATPが残って、締まった身になります。
これは私が経験で身に付けた「鮎へのこだわり」です。

2013年の鮎漁が解禁されました!!

%e9%ae%8e%e6%96%99%e7%90%86-017-300x225今日、6月1日から千代川の鮎漁が解禁されました。今日から釣っても良い漁法は「友釣り」と「毛鉤釣り」です。
「転がし」と呼ばれる「ゾロ釣り」は15日から、「投網漁」は7月1日からの解禁となります。
毎年の事ですが、解禁日の6月1日は鮎料理の御予約はお受けしておりません。
夕方に、漁師さん達がどれ程の量の鮎を持って来て頂けるのか分からないので、この日の御予約はお受けできないのです。
全くと言っていい程、入荷が無い年も有りましたし・・・((+_+))
数日続いた大雨で、増水した川に釣り人の姿がゼロ!という年も有りました。
毎年、ドキドキしながら入荷を待ちます。

今年は、例年に無く沢山の漁師さんが、多くの鮎を持って来て下さいました。
型もこの時期にしては、大きくて、総量で11kg以上の竿釣りの活き鮎が入荷しました。(^_^)v
店のイケスで元気よく泳いでいます。是非、菊乃家で鮎料理を召し上がられて、お帰りの際には、玄関出られて右手側に有りますイケスに泳ぐ天然鮎をご覧ください。
私に時間が有れば、天然鮎についてのお話をさせて頂きますよ。