母親の三回忌も無事に終わり、ホッと一息できる月曜日です。
店の下を流れる大井出川の周りに「彼岸花」の花が見られるようになりました。
彼岸花が見られる時期になると、川を上ることを目指していた鮎達がナワバリ等の定着性を失い始めて、やがて群れを作って下流へ下り始めます。日が短くなったことを感知して、産卵のための成熟が始まります。
9月にもなると、鮎の体も6月~7月頃の物に比べて大きな変化が見られます。
もちろん魚体も大きく成長しますが、鱗が目立ち始め、骨も硬くなります。
煮付けにしたり、アラで出汁を引くと黄色い脂が鍋の表面に浮き上がってきます。塩焼を焼く時も鮎の体から落ちる脂で炎が上がり、煙で真っ黒にならないように気を使います。
時々、お客様にこの時期の鮎でセゴシのご注文を頂きますが、皮も骨も硬くなった鮎のセゴシはお薦めできません。お薦めは若鮎と呼ばれる、7月頃までの物が良いと思います。
これからは子持ち鮎と呼ばれるように、お腹に卵を持つ鮎が獲れ始めますが、私にはオスかメスかの判断はできても、必ず子持ち鮎と約束できる魚体を選ぶ自信は有りません。<(_ _)>
早くから成熟が進む年も有りますが、25日の禁漁間近なのに一向に卵を持った鮎に出会えない年も有りました。自然界は不思議で分からない事だらけです!
長い間伝えられてきた鮎の食文化と鮎資源はどちらも大切なものです。
しかし鮎が川に居てこその食文化であることは間違いないですね。
来年も今年のように豊漁であるように、産卵が上手くいって、沢山の孵化した鮎達が無事に餌の豊富な海に下ることが出来るように祈るだけです。